季刊まちりょくvol.42
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48 「仙台・劇のまちトライアルシアター」は、様々なチャレンジを通し、仙台で新たな舞台作品や舞台の作り手が生まれるきっかけをつくることをめざして2019年にはじまりました。その一環で、子育て世代の方にも身近に舞台芸術に参加していただけるような「子育ていろいろシェアリング」という企画が立ち上がりました。翌年2020年に舞台作品を上演することをめざして創作を行い、12月末に演劇『子育ていろいろ 晴れときどき嵐』をせんだい演劇工房10-BOXで上演することができました。 当企画のコーディネーターである演出家の高橋菜穂子さんは、市民の方からお寄せいただいた子育て体験談などをもとに、3組の夫婦の物語に構成しました。熱心に育児日記をつけながらはじめての子育てに奮闘するお母さん、おむつ替えを練習するお父さん、共働き夫婦の会話の様子など、日常の情景が次々登場するオムニバス劇で、劇中では実際に子育て中の方々のインタビュー映像も流れました。まさに、実話からうまれた演劇と映像が融合する「子育て中のみなさんとつくった」劇となりました。 公演の映像も今春にYouTube公式チャンネルで無料公開予定ですので、ぜひご覧ください。 今回の公演に至る道のりは決して平たんではありませんでした。新型コロナウイルス感染症の拡大により、3月末から予定していた作品創作のための座談会が中止となり、4~5月の臨時休館中には、オンライン会議で企画メンバーとの話し合いを重ねました。6月には、SNS上での子育てに関するエピソードの募集と、みなさんからお寄せいただいたエピソードをもとにした短い動画をメンバーとともにつくり、YouTubeで公開する試みをはじめました。こうしたトライアルの積み重ねの結果、計18本の短編動画作品ができ、現在もYouTubeで公開しています。演劇にとっても厳しい状況の中で、当初の目標であった公演が無事にできたこと、そして、動画などのオンラインコンテンツを充実でき劇中に流れるインタビュー映像の様子会期:2020年12月26日(土)、27日(日)会場:せんだい演劇工房10-BOX box-1子育ていろいろ晴れときどき嵐仙台・劇のまちトライアルシアター2020事業レポート

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