季刊まちりょくvol.42
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46 毎回特定の作曲家にスポットを当て、作品を通して作曲家の人生や創作の源泉を辿るコンサートシリーズとして、2019年度より開催している「イズミノオト」。従来のチラシにひと工夫加え、作曲家の人生や創作の背景についての読み物を掲載しており、「公演前に知識を得てから演奏を楽しむ」という特色を持っています。そんなコンサートシリーズの第3回目を11月23日に開催しました。今回スポットを当てた作曲家は、ピアノの詩人と呼ばれる「ショパン」。出演は、イズミノオトの企画コーディネーターも務める仙台フィル首席チェロ奏者の吉岡知広さん、仙台出身でアンサンブル・ピアニストとして多くの演奏家から信頼を集める三又瑛子さん、第6回仙台国際音楽コンクールピアノ部門第3位入賞の北端祥人さん。 さて、数あるショパンの作品の中で、みなさんが大切にしている曲はなんですか?イズミノオトは、作曲家の作品と人生がどのようにリンクして生み出されたかを辿るコンサートです。今回演奏された作品の中から、いくつかショパンの物語(バラッド)をご紹介いたします。 まず紹介するのは、北端さんの演奏した『革命のエチュード』。祖国ポーランドからフランス・パリに出てきたばかりのショパンの手助けをしてくれた「フランツ・リスト」に献呈された曲です。何かが破裂するような和音で始まるこの曲は、「ポーランドの首都ワルシャワがロシアに陥落した」というニュースを聞いたショパンの衝撃や悲嘆が大いに映し出されていると言われています。ショパンの祖国への悲憤の思いを感じさせ、聴き手を圧倒する1曲です。 もう1曲は、吉岡さんと三又さんの息の合った演奏でお届けした『チェロ・ソナタ ト短調 作品65』。この作品は友人のチェリスト「オーギュスト・フランショーム」のために書かれました。恋人の「ジョルジュ・サンド」との恋が終わり、心身ともに憔悴していたショパンですが、フランショームの協力を得て完成させまし会期:2020年11月23日(月・祝) 会場:仙台銀行ホール イズミティ21公演チラシ(読み物のページ)仙台銀行ホールイズミティ21 コンサートシリーズイズミノオト 第3回ショパンノバラッド事業レポート

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