季刊まちりょくvol.42
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10 クラリネットやサックスなどの木管楽器、トランペットやホルンなどの金管楽器。そしてティンパニなど、吹奏楽で扱われるような管楽器と打楽器一通りの修理を一手に担うモリタ管楽器サービス。扉を開けて一歩中に入ると、様々な楽器の修理に懸命に取り組む従業員の皆さんの姿が目に入ります。 創業者である森田さんは、元々は楽器の営業に携わっていました。目の前で行われる修復の作業に魅せられ、この道へ。手先の器用さ、そして営業時代に培われた縁に支えられ、修復の専門工房として店を開いて今日に至ります。 ひとくちに木管楽器と言っても、例えば金属でできているサックスと木材で出来ているクラリネットでは修理のアプローチが異なります。他方、本体が同じ金属で出来ているとはいえ、こまかなキイやレバーの数々がネジで留めてあるサックスと、大小さまざまな管のくみあわせで作られている金管楽器では、やはり修復の方法は全く異なってきます。 小学校のクラブ活動からプロの演奏家まで、さまざまな場面で使用されている楽器たち。どんな修理が必要か見極め、専用の治具を駆使して作業にあたります。当初から修理用として販売されている治具もありますが、中には地元の鍛冶屋さんに頼んで作ってもらった道具もあるそうです。 はじめの頃は一人ですべての楽器の修復を行ってきた森田さん。マルチな技術者も必要だけれど、1つの分野に特化したほうがより高度な技を身に着けることが出来ると考え、少しずつスタッフを増やし今では修理を担う従業員は森田さんを入れて4名。それぞれ、サックス、クラリネット、金管楽器全般と、担当している楽器の修理に特化したエキスパートです。それ以外様々な工具がズラリと並ぶ作業場。べっこり凹んでしまった楽器を直したこともあるそう。⇒P.8から続くモリタ管楽器サービス修理のほか、木管楽器のリガチャーや、金管楽器のミュートなどオリジナル商品の開発・販売も行っています。

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