季刊まちりょくvol.41
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41出す。異なる色や模様の折り紙を組み合わせて作ったものや、光の影を外側に映し出すものもある。新作を生み出すには何日もかかるが、一度完成してしまえば、設計図は頭の中に記憶されるというから驚きだ。 五十嵐さんの「折り紙照明」は、「学生照明展2019」で審査委員長賞を受賞。その後、2019年の5月と10月に個展を開催、12月には仙台市天文台で8日間に渡って展示され、NHKでも特集された。「学生照明展2020」でも審査員奨励賞を受賞している。設計課題に苦戦していた新入生時代から一転。「折り紙照明」のおかげで、学内でも高い評価を得られるようになった。 「おばあちゃんに教わった折り紙が、こんな形で自分を助けてくれるとは思わなかった」と五十嵐さん。折り紙のおかげで「人生が変わった」と言う。夢中になれるもの、人より上手にできること。その時は何かに役立つと思えなかったとしても、自然に想いが向き手が動くなら、それは自分のオリジナルな才能を教える天からのメッセージなのだろう。 五十嵐さんの頭の中に広がる美しい幾何学の宇宙から、この先どんなアイディアが生み出され、作品となって世に出ていくのか。これからがとても楽しみである。〈展覧会情報〉「折り紙照明展」日時/2020年10月23日(金)~10月27日(火)会場/東北工業大学一番町ロビー五十嵐聖人 インスタグラムアカウント https://www.instagram.com/IGARASHI_CAN

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