季刊まちりょくvol.41
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8⇒P.10に続く仙台市出身。株式会社東北共立所属、舞台照明技術者またはプランナーとしてコンサート、バレエ、オペラ、テレビなど様々な業務に携わり、2012年からは新設の宮城野区文化センターの舞台スタッフとして勤務。(公社)日本照明家協会東北支部 事務局長 ところが2020年、新型コロナウイルスは世界中の集いの場、表現の場を奪いとり、大震災の時と同様にホール・施設も本来の目的を停止せざるを得ませんでした。 しかし人々が楽しみ笑顔になる瞬間、感動し涙する瞬間、文化は形を変えながらも生まれ続けております。何とかして伝えたい、表現したい気持ちが再び人を集わせ賑わいのある空間が創造されていくことは間違いないでしょう。賑わいを作り出すのは人々です。 我々はこれからも、その為の環境を整えサポートしていきます。我妻 雅崇(仙台フィルハーモニー管弦楽団 チーフ・インスペクター)した。 復興コンサートはもはや仙台フィルの習慣となったと言っても過言ではないでしょうし、私たちはその頃から「絆」や「つなぐ」という事を意識して活動するようになりました。 しかし、今回の新型コロナウイルスには参りました。 人を集められない、人の集まるところに行ってはいけない。 これでは正直打つ手なし。お手上げでした。 2月末からコロナウイルス関連でコンサートがキャンセルになり始め、当初はチケットの払い戻しや楽団員への諸連絡で忙しくしていましたが、次第に仕事もなくなり緊急事態宣言のころには在宅勤務も経験しました。その頃は先の見通しが付かない状況の 未曽有の被害を起こした東日本大震災から10年目の節目を迎えようとしていた頃に襲ってきた新型コロナウイルス。 正直最初はこんなに長くコロナ禍が続くとは思っていませんでした。 震災直後はご存知の通りいち早く復興コンサートを開催し継続することができました。 自らも被災者である我々が、津波の被害が大きかった沿岸地域に赴き、音楽を奏で、被災者に寄り添う事は自然な流れで

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