季刊まちりょくvol.38
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71993年韓国生まれ。5歳でピアノを始める。ソウル国立大学在学中の2013年に江南交響楽団との共演でソリストデビュー、翌年にアマルフィ海岸音楽&芸術祭「ヤングアーティストシリーズ」でヨーロッパデビュー。現在は、ザルツブルク・モーツァルテウム大学大学院にてパヴェル・ギリロフに師事している。 ザルツブルクでは、大学と学生寮を往復する音楽漬けの日々。それでも、レッスンの合間に音楽仲間とホームパーティーをしたり、気晴らしに買い物や公園に出かけたりするなど、忙しいながらも充実した生活を送っているというヒョンロク。「以前よりも人と交流することが楽しくなりました」と少しはにかんで話してくれました。 というのも、実は、オフの日は外に出かけるよりも家でゆったり過ごすのが好きという“インドア派”。幼い頃から絵を描くのが好きで、10代の時にはなんと200ページにもおよぶコミックを描き上げたこともあるのだそうです。今ではすっかり絵を描く頻度は減りましたが、つい最近オイルクレヨンを購入したそうで、「6月の来仙時には完成した作品をお見せできるといいですね」とヒョンロク。 新しい環境、そして心境の変化が音楽にどのような影響を与えるのか、これからがますます楽しみです。 コンクールで卓越した演奏を披露した2人ですが、素顔は親しみやすく若者らしい一面も。演奏会のために来日した2人に普段の暮らしについて聞いてみました。チェ・ヒョンロク CHOI Hyounglok1992年カナダ生まれ。4歳でヴァイオリンを始める。12歳の時ダラス交響楽団との共演でソリストデビュー、その2年後にはヨーロッパデビューを果たし、15歳でCDデビュー。現在は、アメリカを拠点に各地で演奏活動を展開しながら、クリーヴランド音楽院特別奨学生としてハイメ・ラレード、ジャン・スローマンに師事している。 香港出身の父親と、カナダ出身の母親を持ち、現在はアメリカを拠点に活動するシャノンの第一印象は“オープンマインド”。コロンビア大学でコンピューター科学の学士号も取得し、外国語を学ぶのも好き(来日時には、ひらがな・カタカナもほぼマスター)だという彼女の興味関心は、いつも広く世界に開かれています。 クリーヴランドでは、音楽仲間ではなく、あえて眼科医や女優といった多様なバックグラウンドを持つ人とルームシェアをしているそうですが、それもシャノン・リー Shannon LEE2020年1月にはソヌ・イェゴン(第5回優勝/写真左)のプロジェクトに参加。仙台フィル定期演奏会終演後のサイン会。「公演が終わったら、今回は観光やショッピングにも行きたい!」と好奇心いっぱい。2019年7月にはセミナーで子どもたちに指導。©Ana Abrantes ジャンルを問わず、さまざまな音楽を聴くのが好きだという2人。好きなミュージシャンをたずねると、ヒョンロクの最近お気に入りは日本のバンド「SEKAI NO OWARI」、シャノンは英国のロックバンド「Queen」とのこと。なんだかぐっと親近感が湧きませんか?「互いの知識や経験をシェアできるのが楽しいし、クールだと思う」から。どんな質問にも丁寧に、かつはっきりと、人の目を見て答える誠実さと、冗談を忘れないユーモア精神を兼ね備えた彼女の周りには、常に笑顔が絶えません。これからも色々なことを吸収し、それが音楽にも反映されていくのではないか、そんな期待が膨らみます。対照的?2つの個性を紹介

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