季刊まちりょくvol.37
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60art reviewやんや 長かった夏の暑さを惜しむように、4人の個性が熱くぶつかり合ったコンサートが10月27日、仙台銀行ホール イズミティ21小ホールで開催された。出演したピアノデュオ・リブラ(文京華、三又瑛子)、大伏啓太、蔡翰平の4人は、全て仙台と深い関わりのあるピアニストである。文さん、三又さんは2013年にピアノデュオを結成、お二人とも天秤座生まれなので「リブラ」という名前を付けて、アンサンブル能力を磨いてきた。ここ2年間の「せんくら」(仙台クラシックフェスティバル)での公演を続けて満席にしたことが、彼女らの実力の高さを証明している。チケット購入が間に合わず「せんくら2019」の公演を聴き逃した私は、悔しい思いに駆られていた。また、大伏さんはソロや共演で、仙台でのコンサートに度々出演されているし、蔡さんは第5回仙台国際音楽コンクールのマスタークラスに受講生(当時高校生)として参加され、記事を書かせてもらった思い出がある。そんなことから、私はこの4人の公演を心待ちにしていた。 当日の演奏は期待通り、4人の熱演で火花が散るような演奏の連続だった。ピアノは2台、ピアニストは4人。すべての曲が2人以上のさまざまな組み合わせ(1台4手、2台4手、2台8手)による演奏。ピアノもスタインウェイとヤマハによる競演となった。通常、ソロまたは他楽器との共演という機会が多いピアノなので、このような形態の演奏会は非常に珍しく、初めての経験に期待が高まった。コンサートの幕開けは2台8手によるグリンカの「オペラ『ルスランとリュドミラ』より序曲」。テンションが高くスピーディな演奏で、会場のボルテージは一気に高まった。コメントによると、4人は同じ先生に教わった経験があるという。抜群のチームワークも納得がいった。2曲目は文さんと蔡さんによる、モーツァルトの連弾ソナ仙台ゆかりの4人の名手によるピアノの饗宴Pianist×Pianist=? vol.2岡 浩一郎(仙台国際音楽コンクール広報宣伝サポート部門ボランティア)仙台・宮城で開催された文化事業をレビュー(批評)としてご紹介します

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