季刊まちりょくvol.37
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7 仙台発の笙奏者。幼少より雅楽に惹かれ、13歳で笙を手にする。ウィリアムズ症候群という障害を音楽の分野に特化し開花させ、雅楽曲はもとよりあらゆるジャンルの曲を演奏している。8 「障害者の芸術活動支援モデル事業」(2014-2017年)を通じて「まぜると世界が変わる」をコンセプトにSOUP(障害者芸術活動支援センター@宮城)の活動を展開している。(http://soup.ableart.org/)15NPOでは、そこに至らない、つまり障害のある人のなかでもさらに弱い立場にある人を支えるために、2014年から本格的に仙台・宮城で中間支援の活動に取り組んでいます8。生まれたそれぞれの土地で、芸術文化を通して豊かに生きることを支える、地味ですが、そういったことをやりたいと思っています。東日本大震災以後、私は輝く個人や団体が小さくとも地域のあちこちにあることを美しいと感じるようになりましたし、困ったときに互いに補い合えるような、ネットワークハブをつくっていくことに力を入れていきたいですね。菊地:支え合うという意味では、今年から定禅寺ストリートジャズフェスティバル、仙台・ゴスペルフェスティバルの3団体で仙台市ストリート音楽祭ネットワークを立ち上げ、意見交換をしたり、当日の運営を助け合ったりするようになりました。今後は、音楽以外の団体とも連携していけるといいなと思っています。 20年間この活動に携わってきて、障害のある方で表現したいという人は増えてきていますし、音楽祭を続けることで、街の人たちの意識も変わってきたという実感があります。回を重ねるうちに苦情も減っていきましたし、商店街の方も場所を貸していただくだけではなくて、積極的に協力を申し出てくださるようになりました。まちなかで障害のある方を見ると、まだまだ怖いとか、うるさいと感じる人がいるようですが、楽しそうに音楽を演奏している姿を見るとか、よい音楽が聞こえてきて、行ってみたら障害のある人の演奏だったとか、そういう体験を通じて自然と「心のバリアフリー」につながっていければいいなと思っています。最後に 読者のみなさんへのメッセージ柴崎:最近は、「せんくら」での販売など、気軽に訪れるマーケットタイプのイベントも実施しています。アート&クラフトも素敵になり、食品も美味しいものが増えているので、まずはそういうところから触れていただくのも良いと思います。 また、来年2月には障害のある人の芸術文化活動を紹介する「きいて、みて、しって、見本市」(P.19参照)を開催するので、ぜひ訪れてみてください。松﨑:宮城県美術館では、昨年から障害のある人は特別展も無料で観覧いただけるようになりました。ぜひ多くの方に利用していただきたいです。展示会場や、創作室でいろいろな交流が自然に生まれるようになるといいなと思います。菊地:「とっておきの音楽祭」はまちなかでやっているので、ぜひ見ていただいて、興味があるものをひとつでも見つけていただきたいです。ボランティアはいつでも募集していますので、関心があればぜひご連絡ください。

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