季刊まちりょくvol.37
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だろう?」というところから問いが立ち上がってくる、そこに面白さがあると思っています。そういう意味で、「見る」ということは自分が試される場だとも言えます。 障害のある人の作品も、全国的にみるとようやくキュレーターによるテーマ性を持った展覧会も増えてきました。ただ、仙台・宮城ではまだこうした事例が少ないので、まずは発表する環境をつくっていくのも大事なことだと思います。松﨑:発表する場がある、人に見てもらう場がある、というのがアートとして始まる第一歩ですよね。菊地:「とっておきの音楽祭」では、出演者のなかから、プロになった人も何組か出てきています。例えば、笙YUUさん7は、第1回のときに真っ先に応募してくれたのですが、その出演がきっかけで他からも声がかかるようになり、今ではプロの演奏家として全国を飛び回っています。アートで暮らしや街が変わる柴崎:近年のトピックとしては、障害者総合支援法・障害者文化芸術活動推進法が施行されたことによって、福祉と文化、両方の側面から支援を考えられるようになりました。福祉事業所、文化施設、中間支援のNPOなどが連携して、芸術文化活動ができる環境をつくるようにしていかなければいけないと最近は考えています。 松﨑さんや、菊地さんのように表現や発表の場をつくる役割がある一方で、私たちの14NPO法人エイブル・アート・ジャパン障害のある人たちが表現活動を通じて、生きる尊厳を獲得すると同時に、障害のある人たちのみずみずしい感性あふれる表現活動を通じて、社会に新しい芸術観や価値観をつくることを目的に活動を展開するNPO。東日本大震災後は東北事務局を設置し、障害のある人の仕事の復興支援や芸術活動支援に取り組んでいる。http://ableart.org/柴崎由美子さんNPO法人エイブル・アート・ジャパン 代表理事 障害のある人とない人がともに表現する「アトリエしろ」障害のある人と芸術文化活動の大見本市「きいて、みて、しって、見本市」

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