季刊まちりょくvol.37
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11者」という冠をつけないでやっていたんです。今思えば、仙台は進んでいたと言えるかもしれませんね。菊地:実は、この「とっておきの芸術祭」から「とっておきの音楽祭」が始まったんですよ。2001年に第1回全国障害者スポーツ大会が宮城県で開催されることになって、浅野史郎知事(当時)から「音楽でも何かできないか」と相談を受けた親父4が「ジャズフェス(定禅寺ストリートジャズフェスティバル)みたいに屋外でやればいろんな人に見てもらえるんじゃないか」と提案して、「とっておきの」という言葉を受け継いで「とっておきの音楽祭」を開催した、それが第1回だったんです。活動のきっかけは三者三様。でも、求められるから続けてきた。松﨑:宮城県美術館に来て7年になります。「創作室がある」とは知っていましたが、実際にこういう場所だと知って正直驚きました。大学では美術史学を専攻していましたし、教育普及といっても展示室で解説するくらいのイメージだったので、着任早々、粘土の活動をすることになったりして、最初はずいぶんと慌てました(笑)。私自身は、障害に関する専門家ではないので、当時上司だった齋さんがおっしゃっていた「障害のある方が利用するといっても、どうやったら使えるかということを一緒に考えていくだけで、他の利用者と同じ」とい4 菊地昭典さん。特定非営利活動法人とっておきの音楽祭代表。粘土を使った創作活動。松﨑なつひさん宮城県美術館 学芸員宮城県美術館「創作室」開館中はいつでも、だれでも無償で使えるアトリエ。材料を用意すれば、豊富な道具と器材を用いて自由に制作できる。単に作るだけではなく、美術と美術館に関するあらゆる質問・疑問について学芸員とともに考える、という独自かつ先進的な運営方針が、全国の美術館から注目されている。https://www.pref.miyagi.jp/site/mmoa/SOUPの研修「作品展示の1・2・3!」

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