季刊まちりょくvol.36
12/108

10⇒P.8から続く 新浜では、震災直後から町内会が中心となって復興まちづくりの議論を活発に行ってきました。専門家をアドバイザーに招いて、「新浜地区復興まちづくり基本計画」(2013年)、「新浜の‘浜’を活かすニュービーチプラン」(2016年)などを策定し、現在まで、さまざまな支援や助成をいただきながら、新浜女子会や復興秋まつりを立ち上げ、まち歩き清掃などの活動を行ってきました。 当初、町内会としてはまずは生活の安全確保を大切に、という思いで活動してきましたが、2015年貞山運河研究所と開催したミニフォーラム「海岸公園と貞山運河の利活用」で海や運河のすばらしさを再認識し、東北学院大学などの専門家に協力いただき「新浜の自然と歴史の学習会」を開催し、ふるさとのよさを学んできました。それらをもとにして、2017年から貞山運河研究所と共催でフットパスやフォーラムを開催するなど、仙台で「海に一番近い集落」としての賑わいづくりに向けて活動を広げてきました。「現地再建を自分たちで推し進めたのだから、それをより充実したものにしていきたい」、だからこそ「支援の声があれば前向きに受ける」という町内会長をはじめとするみなさんの揺るがない信念があって、ここまでやってくることができたと考えています。 外から来てくださる方にはいつも新しい視点をいただいていますが、特に川俣さんには、常識を超えたところからダイナミックにアドバイスや解決策を示していただいています。今回も、最初は「木道?」と正直思いましたが、実際に歩いてみると、とても魅力的に感じました。私自身、今まで芸術にはあまり縁がありませんでしたが、だからこそ今、その魅力や可能性を感じているところです。 仙台市内の貞山運河沿いには、7つの浜があって、昔は水路や陸路でつながっていましたし、親戚関係の交流も広くあります。ですから、「新浜がよければ」というのではなくて、今後は貞山運河沿いの再生に取り組みつつ、浜が連携していければと考えています。遠藤源一郎さん新浜町内会 庶務伊東豊雄さんをはじめとする建築家が、被災地でつくった集会所「みんなの家」の第1号。2017年4月新浜に移設された。「みんなの橋プロジェクト」のきっかけとなったかつての新浜の橋。(撮影:遠藤源一郎、2013年)町内会で運営する「渡し舟とフットパス」。プロジェクトを通じて出会った方の声

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る