季刊まちりょくvol.35
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65横山真「一日だけの恋人」た」状態になるために、演じる側と観る側の関係はどう変化することができるのか、双方がどのような接点を持つことができるのか、ということでした。そのためのアプローチを私はまだ掴めていません。ただ今回のプレイベントの中で少し垣間見えた気がしています。出前プログラムの見本市では、例えば施設での開催を想定して、観客と一緒に楽しむ演目や、観客と即興のワークショップを楽しむ公演、出演者のお子さんが舞台に上がり自由に動き回る朗読があったりと、劇場以外での空間を前提として、観客がいかに楽しめるかという上演が行われていました。それらのプログラムをあえて劇場空間で観ていると、静かにじっと座って物語や出来事を追うような鑑賞体験とは異なる、明らかに何か別の体験であることが確認できました。高校生によるステージ『ナイゲン』は、学校での活動の「枠」を離れた演劇づくりが、参加者にとって有意義なものになるような手ごたえを得ることができ、次年度以降の事業にとっての一つのヒントになったように思います。 演じる側と観る側双方の豊かな関係性を育てていくために、今回のプレイベントをステップとして、仙台の演劇シーンが今後さらに活性化していくことを願ってやみません。文・せんだい演劇工房10-BOX 岩村空太郎えずこシアター「その場で出来る物語」名取シニア劇団あっぺとっぺ「あっぺとっぺ『じゅげむ』」仙台シアターラボ「絵本の中に入ってみよう『あらしのよるに』」

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