季刊まちりょくvol.35
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15古本あらえみし〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡4-7-12 TEL 022-298-845512:00~20:00(土・日・祝12:00〜19:00)水曜定休JR「仙台駅」東口より徒歩5分http://araemishi.la.coocan.jp/〈荒蝦夷の仲間たち〉地方出版社フェア「寿郎社」 6月~7月第2弾は、批評精神溢れる本を多数世に出してきた札幌の出版社を紹介。*通常の本棚は新刊・旧刊問わずどんどん入れ替わります。これからの予定 取材に訪れた日はオープンしてまだ1週間でしたが、貞山堀や荒浜など地元の資料を探しに来た青年、東日本大震災に関する本を探しに来た老夫婦など、さまざまな人が来店し、それぞれお目当ての本を買い求めていったといいます。なかでも土方さんの印象に残っているのがSF研究会の大学生2人組。若い頃に土方さんが愛読したミステリ文庫を見つけ、少々高めの値段にも「新幹線代をかけて神田神保町の古本街まで行くことに比べたら、地元で見つけられるなんてむしろラッキーです」と喜々として手に取ってくれました。本への思いが若い世代に受け継がれていく現場に立ち会えるのは、何ものにも代え難い喜びです。 隣接する2号店と合わせて約70㎡という決して広くはないお店にも関わらず、欲しかったものが見つかる「打率のよさ」に驚くと、「出版社の倉庫を公開しているようなものですから。荒蝦夷だったらこういう本は持っているだろうと期待して来てくれているのだと思います」と土方さん。古書店として本格的に運営する体制が整いましたが、新たに取り扱う古書も、内容にはこだわっていくとのこと。土方さん蔵書の「お宝」もまだまだ倉庫に控えているということですから、「土方印」「荒蝦夷印」の本に出会える楽しみがますます増えそうです。 「つくることから売ることまで、新刊から古書まで、本にまつわる全部」を手がける荒蝦夷。肩肘張らず、「本のおもしろさ」を発信する場所に今後も要注目です。特集スペース。初回は蔵書のなかから貴重本を選りすぐって紹介。新刊コーナー。全国の「元気の良い」出版社を紹介する「地方小出版フェア」と、荒蝦夷の出版物紹介コーナーで構成。フェアの初回は沖縄の出版社「ボーダーインク」を紹介。編集者の新城和博さんは、震災後に家族で仙台を訪れてくれた仲。2号店。1号店から歩いてすぐ、まさに「目と鼻の先」。ミステリと翻訳ものを中心に取り揃えている。左から「店長」の土方正志さん、須藤文音さん、千葉由香さん。他のスタッフも交えて接客にあたる。

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