季刊まちりょくvol.35
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13東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館〒983-8511 仙台市宮城野区榴岡2-5-26 TEL 022-717-331810:00~17:00(入館は16:30まで) 月曜休館(祝日の場合は翌日)一般400円 大学・専門学生300円 高校生以下/障がい者の方とその介助者1名は無料JR仙台駅より徒歩3分https://www.tfu.ac.jp/kogeikan/企画展「夏を彩る 藍色のれん ‐芹沢銈介作品より-」~8月18日(日)企画展「芹沢銈介の広告デザイン」9月19日(木)~10月20日(日)これからの予定「ここが予備校だったとは思えない」と来館者が驚くほどに変貌を遂げた展示室。美術館らしい布張りの壁、一部高くした天井、幅木や床の色など、細部に至るまで経験豊かな学芸員ならではの工夫が。TFUカフェテリア・オリーブ。Gakushokuランチなど、地元の食材を使ったメニューが人気。自家焙煎した豆で淹れたコーヒーはテイクアウトもできる。のれんの機能を意匠に取り込む手腕はさすがの一言。「この山みちをいきし人あり」は釈迢空(折口信夫)の短歌の下の句。 収蔵品は今も国見キャンパスの収蔵庫に保管、展示スペースは、収蔵品を鑑賞しながら学習・研究できる学生用のコモンスペースとして利用されています。企画毎に作品を運び出して展示することになるのは大変では?との問いかけにも、「私たちは2つの場所を行き来しながら、今、みなさんに見ていただきたいものをよりすぐってこの場所で芹沢銈介の魅力を発信することができます。また一つ拠点が増えたとも言えますよね」と、いたって前向き。日本各地、そして世界から人が集まる仙台駅近くという立地を活かして、芹沢銈介作品の魅力を広く伝えていくこと。今後の方針が見定まってきました。 仙台駅東口は、再開発を経て大きく生まれかわりましたが、文化施設はまだまだ不足しています。そのなかで、東北福祉大学は、教育施設に加え、TFUギャラリー ミニモリ、生涯学習支援室、仙台元気塾、カフェテリア、そして美術工芸館といった一般公開施設をこのキャンパスに集約させることで、さまざまな体験と学びを提供する、地域に開かれた文化拠点としての役割を果たそうとしています。 「制約があるからこそ、思いがけなく生まれてくるアイデアや可能性がある。こういった発想は、芹沢銈介が生涯取り組んだ<型絵染>というジャンルにも通ずるものがあるかもしれませんね」と微笑む本田さんの頭の中は、すでにたくさんのアイデアが詰まっているようでした。

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