季刊まちりょくvol.33
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43語をやりたいわけではないんです。だから漢字で『落語』と書くのは偉そうだなと思って、ひらがなにしました。」と話す。「く」についた丸は、ガス抜き穴のようなもので、「大人の落研」のつもりで楽しくやりたいそう。とはいえ、さすがに演劇人、間の取り方も上手く声量もあり、役者のテクニックで聞かせる落語のスタイルを追求していて、新しい。 さて、ここから少し別の話。福島美術館は、今年度末で事業休業のため、残念ながら12月22日の展覧会終了をもって閉館となる。トリをとった尾暮祐樹君は、これまで美術館を支えてきた学芸員の尾暮まゆみさんの息子さんだ。10年余り前、太白区が主催した「太白区民手づくり演劇」というワークショップに親子で参加した。その際アドバイザーとして関わっていたのが白鳥さん。祐樹少年の語る「目黒のさんま」に大人達は目を丸くしたそうだ。親子の成長を見守ってきた美術館で、最後に祐樹君にトリをとらせたい。白鳥さんはそんな餞はなむけの思いを「崇徳院」に託していた。お客さんも多くが福島美術館ファンの人たちだった。 「割れても末に逢はむとぞ思ふ」。みんなの気持ちを一つにした一席だった。  〈公演情報〉日時/2018年11月10日(土)会場/福島美術館出演/狛狼坊イチロー、北海亭さくら、尾暮祐樹(劇団TUADグローブ座)、はらへり亭ひらひら、   鳥屋ん朝陽、かしまSEEDS (まや、あべまり、さくら)、学芸員M特別ゲスト/小畑次郎(他力舎)出囃子/BMCB(ブレーメンズミュージッククラブバンド)、鳥郎、熊谷真弓、てっちゃん、へもバックステージ/伊藤哲(おはなしてっちゃん)記録撮影/ヒロタユリチラシ/高橋史生制作協力/瀬川まーちプロデュース/白鳥英一

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