季刊まちりょくvol.33
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13ことも。活動は県内にとどまらず、過去には演奏旅行でニューヨークやウィーンに赴き、日本や宮城の童謡を披露したこともありました。 歌うだけではなく、作詞者、作曲者、歌の背景など、基礎知識を学ぶことを心がけていますと櫻井さん。「どんぐりころころ」は松島出身の青あおき木存ながよし義の作詞、日本で初めて三拍子の曲「港」を作曲したのは仙台出身の吉よしだしんた田信太、「うさぎとかめ」も仙台ゆかりの納のうしょべんじろう所弁次郎の作曲。そして戦後、子どもの歌文化を復興して広めたのは「東北うたの本」のラジオ放送*1。卒業式で歌われる「思い出のアルバム」、NHKみんなのうたの「山口さんちのツトムくん」も宮城で生まれた名曲。「宮城は童謡が昔から盛んだったのよ」と教えてくださいました。いい童謡は「どんぐりころころ」のように歌詞が日本語のアクセントと合っていて音域も考えられている。100年経ってもすたれませんね、と大津さんは語ります。 「会員の中には90歳をこえる方や、施設から来られる方もいらっしゃいます。みなさん歌うことが生きる喜びになっていて、集まりを楽しみにされています」と櫻井さんと大津さん。「2020年の<東京オリンピック>の年まで頑張るが今の目標ですね」と、櫻井さんは頼もしい笑顔を見せてくださいました。 *1 P10参照10月に開催されたコンサートは満席。お客様も一緒の大合唱あり、手話を取り入れた童謡やストーリー仕立ての童謡ありと様々な趣向が凝らされていました。最後は今井邦男先生の指揮で、福島、山形をはじめ、宮城県内の童謡愛好会10団体と元会員170人が、東北六県の歌を大合唱。ラストはお馴染みの「荒城の月」。会場は大いに盛り上がりました。次回は2019年10月7日、日立システムズホール仙台での開催です。「HAPPY RABBIT」は子ども向けの「童謡出前コンサート」に力を入れています。コンサート前の総練習。ずらりと並ぶ会員を前にテキパキと指示を出す櫻井さん。「笑顔で歌いましょうね。楽譜はみないで、お客様のお顔をみて歌いましょう」。

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