季刊まちりょくvol.33
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10 翌年『おてんとさん』は資金難から7号で終刊しましたが、「おてんとさん社」に集まった若者たちは、子どもたちと童謡を歌う催しや、影絵芝居の上演、林間学校、ラジオの放送劇など様々な活動を展開し、仙台の児童文化運動を盛り上げました。その活動は「おてんとさんの会」に引き継がれ、現在でも影絵・童謡コンサートなどが行われています。⇒P.8から続く 戦後、天江富弥の提案で「子どもたちに新しい夢を与えよう」と、新しい童謡が作られました。「おてんとさんの会」のスズキヘキ、刈かった田仁じん、富とみた田博ひろしらが作詞を、福ふくい井文ふみひこ彦、海かいほこよしみ鋒義美、佐さとうちょうすけ藤長介らが作曲を手がけ、それらの曲は1946年から1963年まで、仙台中央放送局(現在のNHK仙台放送局)から「東北うたの本」という番組で放送されました。仙台放送児童合唱団の歌声に乗って東北一円に届けられた数多くの歌は、今も大切に歌い継がれています。歌声を届けた「東北うたの本」『おてんとさん曲集・第二集』(2018年 おてんとさんの会 非売品)。「おてんとさん」社の活動から生まれた童謡を収めた曲集。約20年前に出版された第一集に続き、110曲が掲載されています。仙台文学館「こども文学館えほんのひろば」での「おてんとさんの会」の影絵の様子。『東北うたの本』(2015年「東北うたの本」を歌う会実行委員会 非売品)。放送された曲のうち、楽譜が現存する55曲をまとめたもの。戦後つくられた「春の足おと」(富田博作詞・海鋒義美作曲)の詩碑。「東北うたの本」で放送され、教科書にも採択されました。1999年、仙台文学館の敷地に建立。撮影:佐々木隆二

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