季刊まちりょくvol.32
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75そ演劇が力になってくれるとも言えるのではないか。この公演が一つのモデルとなって、より多くの人たちに演劇が開かれていくことを期待している。 姫子が語る過去の事実から、それは、自身の身に起きた出来事であることに気づく清子。姫子は清子なのか。蚕の繭のように包まれていく清子。ずっと守ってきたつもりの姫子に、実は守られてきた。生かされていた。これまで自分を傷つけることしかできなかった清子は、真実を受け入れ「私は私を大切にしてあげる」と決意する。 ラストシーン、ベールをつけた姫子が印象的だった。生きることへのポジティブなメッセージ。それは作家、亀歩の決意表明でもある。私の胸に風が吹き抜けた。撮影協力:大槻昌之〈公演情報〉2018年8月3日(金)~5日(日)会場/せんだい演劇工房10-BOX作/亀歩 演出/宿利左紀子出演/岩佐絵理(SteamTV)、片倉久美子、キサラカツユキ(演劇企画集団LondonPANDA)   横山真(劇団丸福ボンバーズ)、鷺谷浩二、後藤晶斗、亀歩、χ梨ライヒ舞台監督/鼠組 舞台美術/χ梨ライヒ 舞台技術アドバイザー/髙橋裕介 助演出/横山真照明プラン/松崎太郎 照明オペレーター/今野優大 音楽/服部暁典 音響/櫻井楓衣装/岩佐絵理 大道具/かあぺんたぁず 小道具/χ梨ライヒ、片倉久美子 制作/宿利左紀子、片倉久美子 情宣デザイン/仁部晃子 託児協力/子育て支援ARIママネット

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