季刊まちりょくvol.31
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4演出家・劇作家。1987年生まれ、秋田県出身。東北大学工学部卒業。劇団 短距離男道ミサイル総合演出、仙台シアターラボ所属俳優。東北大学学友会演劇部に在籍中から、在仙の劇団に俳優、ダンサーとして出演するなど幅広く活動する。2011年4月に、同世代の俳優を集めて「劇団 短距離男道ミサイル」を立ち上げ、ほぼ全作品の演出を務める。2017年6月『母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ』にて、「CoRich 舞台芸術まつり!2017春」グランプリ受賞。2018年3月には、『走れタカシ~僕が福島まで走った理わけ由〜』にて、「若手演出家コンクール2017」最優秀賞・観客賞をW受賞。劇団活動と並行して、AアルクトRCT事務局、若伊達プロジェクトでの企画など、東北の舞台芸術業界の発展を目指し精力的に活動を展開。澤野 正樹 さわの まさき演劇工房10-BOXには公演前になると「週6」で通う。「地下鉄ができて使いやすくなりました。近くにある卸町公園や倉庫を使った公演もやりたいですね」。 弦ちゃんもミュージカルが大好きで、「ミサイル公演」にも連れて行くそう。「父」となり変わった点を伺ってみると、「覚悟が変わりました」。ぼんやりとやみくもに頑張っていたのが、子どもができたことで自分の「終わり」が見え、腹が据わったそう。照れながら、妻の苦労を理解できるようになったとも。 2017年冬から、太宰治作品を原作にした「母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ」「走れタカシ~僕が福島まで走った理わけ由~」を、東北六県を車ひとつで回る旅スタイル公演で展開。強く「東北」を意識するようになり、「日本を代表する東北の劇団になる」というスローガンを立て、海外での活動も視野に入れているとのこと。 迷ったり、くすぶっている人の、ちょっとした一歩、決断の力になれるような作品づくりを目指していると澤野さん。幅広い世代の方に見てもらえる作品にしたいと、にっこり力強く語ってくださいました。「母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ」(2018年4月東京公演)の一場面。太宰治作品のモチーフに、劇団員の生きざまを重ね合わせた作品は多くの反響を呼んでいます。「役者が三人いるので〈太宰三部作〉を考えていて、もう一作品やりたいと思っています」。2019年春の上演予定とのこと。(写真提供:劇団短距離男道ミサイル)

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