季刊まちりょくvol.31
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に、以前だったら心を留めることはなかったけれど、今はその傾き方とか、ぽつんと一個ある石とか…小さい吹き溜まりの世界に心惹かれるようになりました」。街に出ても、ちょっとさびれ感のある蕎麦屋や居酒屋、個性的な外見のお店が気になってしょうがないそう。澤野さん曰く「一つひとつにストーリーや歴史があるんです」。 全員で舞台を立ち上げながら役者としても出演してきましたが、公演の作り方や宣伝など全体が気になりだし、近年は演出家として責任を負うポジションに重点を移しました。役者が自分のことばで語れる演出や脚本を心がけていているという澤野さんは、今回の受賞を「僕らがやってきた〈舞台でうそをつかない〉ということが実を結んだのかな」と振り返ります。「劇団短距離男道ミサイル」は、いろんな劇団の若手が集まって生まれた劇団。震災後、小田原にあった「ビッグボーイ」で久々の野菜を食べながら「なんかやろうぜ」と結成。自分たちの強み「男臭さ」「男のバカらしさ」で、笑いを届けています。(「七福神出現」2017年9月 卸町公園にて)3「まだまだ若い集団なので、仙台の演劇シーンを築いてきた先輩方に今の僕らの作品を観ていただき、叱咤激励いただきたいですね」と、世代を超えた交流にも意欲的。

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