季刊まちりょくvol.28
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97【2011年 ことばの祭典賞】 題「窓」もしくは「動く」[短歌の部]リュック負い雪の街ちまたに並びいる買物の列静かに動く                (服部元夫さん)[俳句の部]かなしいのに窓の若葉が目にあふれ                  (酒井美代子さん)[川柳の部]百箇日過ぎてブランコ動きだす  (池田武さん) その後、新聞の歌壇、俳壇、川柳欄にも多くの震災詠が寄せられ、注目されるようになりました。一般市民の皆さんが、被災の体験を言葉で表現し人々の心に届けるという、短詩型文学が果たした、ひとつの役割がそこに見えてきたように思われます。 今年、第20回という節目の年を記念して、6月1日から30日まで、1階エントランスロビーで「受賞作品展示」を開催。20年のあゆみや受賞作品を振り返ってみると、時代を映し出す作品の多いことを感じました。今年も、多くの皆さんにご参加いただきましたが、若い高校生の姿も見られました。【2017年 短歌の部 佳作】 題「耳」もしくは「遊ぶ」「遊ぼう」と言うと「勉強しないの?」と「こだま」にならず高三の夏      (樋野菜々子さん) 20年間、ことばの祭典を支えてきてくださった世代と、第1回の開催時にはまだ生まれていなかった世代が、言葉の世界を共有することで、これからも、多くの優れた作品が生まれることを期待しています。文:仙台文学館 伊藤美菜子友の会の方々にご協力いただき、みなさんの作品を拡大プリントした紙を貼りだします。1階エントランスロビーで開催した「受賞作品展示」真剣に作品を選ぶ参加者の方々。この投票で選ばれるのが「あじさい賞」。第20回の選者。左より髙柳克弘氏(俳句)、高野ムツオ氏(俳句)、佐藤通雅氏(短歌)、小池光館長、雫石隆子氏(川柳)、斉藤梢氏(短歌)、伊藤豊志氏(川柳)

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