季刊まちりょくvol.27
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⇒P.8から続く10 次に訪れたのは、東北大学青葉山キャンパスと川内キャンパスの間に位置する東北大学植物園。来園済みの友人からのアドバイスに従って、スニーカーにリュックのハイキングスタイルで出かけることに。それでは、いってきます! 植物園入口の看板に「天然記念物 青葉山」の文字を発見。そう、ここは仙台城址の御裏林(おうらばやし)青葉山。伊達政宗が仙台城を築いて以来、仙台藩、旧陸軍、駐留軍による厳しい監視下に置かれ、数百年にわたって一般人の立ち入りが制限されていたお山。そのため貴重な動植物が数多く存在し、植物園としては全国初の国の天然記念物に指定されました。さらには園内に史跡がいくつも存在するという、特別な「お山の自然植物園」なのです。 本館で受付を済ませ外に出ると、芝生の前庭広場でお弁当を広げる人々が。その長閑な様子に心ゆるむも、早速上り階段が待っていました。階段脇には「動物へのあいさつ」と表示された大きな鐘。ここにはオオタカなどの猛禽が生息できるほど、多くの動物たちが暮らしているのです。「チーン!」と勢いよく鐘を鳴らし、森の生き物たちに「お邪魔します」と挨拶を。  すこし歩くと、蒙古の碑・正安の碑と記された大きな板碑に遭遇しました。その昔、植物園正門からこの辺りを経て、愛子方面へと通じる街道が通っており、これらはその道しるべ石だったのではとのこと。街道まで通っていたとはどこまで個性的なお山なのだろうと驚愕しつつ、ここが植物園であることをつい忘れそうになりながら奥へと進みます。美しく整えられた山道を30分ほど東北大学植物園東北大学東北大学植物園≒天然記念物青葉山本館前の前庭広場は長閑なプロローグリス、イタチ、ハクビシン、そしてクマたちへしっかりと挨拶るーぷる仙台停留所「青葉山植物園西」から徒歩3分の青葉山ゲートモミ、スギ、アカマツ、コナラ…多彩な樹木が茂る森

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