季刊まちりょくvol.26
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そんな好奇心に満ちあふれた金野さんと一緒に歩いていると、いつもの風景が新鮮に見えてくるから不思議だ。 米ヶ袋から土樋へ出て愛宕大橋を渡り、石段を上って愛宕神社へ。眼下には仙台の市街地。遠くに雪化粧した泉ヶ岳、大和町の七ツ森も見える。「仙台で生まれ育った私には、泉ヶ岳は心の山。泉ヶ岳を見るとすごくほっとするんです」と金野さん。「こうやって風景を見ていると、人生というか、自分のこれまでを振り返って、良しとすることができるんですよ」。 愛宕神社から向山に回り、仙台三十三観音の最後の札所である鹿落観音堂に立ち寄る。ここも眺望が良く、対岸にはさっき探検は外回りへ。新緑の季節、晴れていれば絶好の探検日和だったが、雨もまた良し。いかにも「隊長」という感じの齋さん。歩いた米ヶ袋のあたり、その向こうにはビル街が広がっている。「政宗様の時代はどんな感じだったんでしょうね」と想像しながら、最終目的地である霊屋下界隈へ。金野さんは大河ドラマ「独眼竜政宗」の放映前に政宗公を題材にした芝居を上演しており、瑞鳳殿でその一場面を演じたこともある。現在は自宅から仙台城跡の騎馬像を3石段を上って愛宕神社へ(上)。境内から市街地を望む。金野さんが指さす先に、雪をいただいた泉ヶ岳が見えた(右)。

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