季刊まちりょくvol.25
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20「からだ」から、かえりみる 今、私たち「せんだい3.11メモリアル交流館」は、被災した仙台東部エリアにある仙台市の施設として、地域の方々と、外からいらっしゃる方々と交流しながら、「芸術」という道具を手に取って、これからの暮らしを一緒に考えたいと思っています。 芸術というのは、日々の生活を便利にしてくれる道具ではありません。そして、何か差し迫った問題を解決してくれるものでもありません。答えの無いものです。では何ができるのか。それは「問い」を立てることです。力のある芸術は、優れた問いを立てるものです。 たとえば現代演劇のルーツの一つは古代ギリシアの市民劇と言われますが、全住民が参加し、全員の共通認識としての社会課題に、各々が向き合うための政治的装置でした。ヨーロッパでは、地域によって程度の違いはあるようですが、現在も演劇が社会課題を考えるためのツールとして機能しているそうです。飯川 晃(せんだい3.11メモリアル交流館)「かかわる、ひろげる」~芸術(アート)の手法を生かした交流事業舞台やダンスの作品をつくる上で実際に行われていることを応用した「コミュニケーションワークショップ」の様子。

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