季刊まちりょくvol.25
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16三本塚町内会会長 小野 吉信さん 三本塚に限りませんが、昔からの農村地帯では農作業も冠婚葬祭も何でも共同でやるなど、助け合いの精神がありました。灯篭流しや盆踊りなどの行事も、上の世代の人たちが子どもに教えることを繰り返してやってきました。だから、どこの子どもの顔も分かったしね。そのような繋がりや、昔の生活の良さを、震災から立ち直るきっかけとしてメモリアル交流館でどんどん取り上げてもらって、以前三本塚に住んでいた皆さんにも思い出してもらい、ここに戻ってきて生活できるような環境になればいいと思います。 三本塚からだと荒井駅までのアクセスがあまり良くないのが難点。もっと身近になれば、メモリアル交流館といろいろなことを一緒にできると思います。あと、メモリアル交流館には休むところがないから、カフェなんかがあるといい。いろんな地区が持ち回りでお漬物とかおにぎり、旬のものを出したりすれば、あそこに行けば地元ならではのものが食べられるというふうになるでしょう。そうすれば農家の人が出荷してスタッフにもなれる。展示でも昔の道具なんかを並べたり、イベントも仕掛けて多くの人が“行くきっかけ”を作ってあげるといいなと思います。東日本大震災の津波被害を受けた若林区三本塚地区は、震災前は稲作農家中心の104軒の集落でした。震災から6年近く経ち、約7割の住民が戻って生活しています。企画展「夏の手ざわり 秋の音」の関連イベントとして行った「盆ござ編み」では、三本塚地区の皆さんが講師となって編み方を教え、また、ずんだもちづくりでは地区のお母さんたちが腕をふるうなど、町内会ぐるみでのご協力をいただきました。メモリアル交流館とわたし盆ござ編み講座では三本塚の皆さんが講師を務めました。

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