季刊まちりょくvol.23
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4宮城県美術館教育普及担当学芸員。造形作家。1951年、岩沼市生まれ。宮城教育大学卒業後、アメリカ・ニューヨークのブルックリン美術館附属美術学校に3年半学ぶ。1979年、開館前の宮城県美術館(1981年開館)に教育普及担当学芸員として就職。以後、子どもたちを対象にした「美術館探検」や美術相談などに携わるとともに、公立美術館における教育普及に関する研究を行う。教育普及部長を務め、定年退職後も引き続き美術館に勤務。また、造形作家として鉄を素材とした彫刻作品も手掛け、個展・グループ展も多数開催している。2002年、宮城県芸術選奨受賞。著書に『おとうさんのひとりごと』(2002年、ブックカフェ火星の庭)、『大きな羊のみつけかた 「使える」美術の話』(2011年、メディアデザイン)がある。齋 正弘 さい まさひろ広瀬川のほとりにて。探検に出かける前、齋さんは「『美術館探検ホンモノ』で目にする仙台が非常に好き」と言っていた。実際に歩いてみると、なるほどと思う。 やがて大橋を渡り広瀬川のほとりに出た。ちょうど川越しに青葉山がのぞめるあたりで、「伊達政宗の騎馬像が見えますか?」と齋さんが指さす。「え、どこどこ?」「あ、見えた!」とワイワイ。本来は、さらに広瀬川沿いを探検した後、幼稚園まで歩いて帰るのが「美術館探検ホンモノ」の全行程だが、この日の探検は花壇の銭形不動尊までで終了。 藪を抜け、沢を渡り、崖を越えた後に、ああ仙台だ、という眺めに出合う。その新鮮な驚き。まちの中にはびっくりの種がたくさん落ちているんだな。それってアートじゃないか!?と気づいたら、「うわっ!」と心が躍った。

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