季刊まちりょくvol.23
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15レクイエムを歌ったんです。生のオーケストラで歌ったのがすごく幸せで。その後仙台に越してきて、第1回仙台国際音楽コンクールを全部聴き、お祭りのように楽しかった。あのときの宮城フィルが仙台フィルとなって活躍していると思ったらもうワクワクして、そのままファンクラブに入りました。髙橋さん:仙台フィルの楽団員はみんな真面目に音楽に取り組んでいます。演奏している人たちが感動しながらやっていることがわかるんです。演奏者のパッションが直接伝わってくる。そういうオーケストラはほかになかなかないですよ。自慢したいです。長島さん:地方のオーケストラは聴衆との距離が近いですよね。日本フィルを除く在京のオーケストラとはそこが違う。仙台フィルも、プレイヤーとわれわれが意見交換できたり、「今日どうだった?」と聞かれたり、そういうやりとりができるのがいいですね。佐藤さん:とにかくチームワーク! 新入団員に「仙台フィルに入って良かったことは?」と聞くと、「みんな優しいところ」だと。スポーツと同じで、一人ひとりの技量もありますが、チームワークがなっていないとオーケストラとして絶対いい音楽はできない。仙台フィルはみんな仲がいいのが伝わってきて、こちらも嬉しくなるし、それが音楽の幅にもなっていると思います。金野さん:皆さんお仕事ではありますが、演奏会の都度、その作曲家や音楽に真摯に向き合って、喜びをもって演奏しています。それが伝わってくるので大好きです。高い志を感じます。髙橋さん:急に聞かれても難しいなあ(笑)。やはり最初に聴いたマーラー、あとパヴレ・デシュパイというクロアチア人の指揮者が来たときのチャイコフスキーの交響曲第5番。これがものすごくいい演奏で、ブラボーがすごかった。後から指揮者が「仙台の聴衆は素晴らしい」って言っていたと聞いて、嬉しかったですね。長島さん:私はオーケストラの演奏会で5回ぐらい泣いたことがあるんです。そのうち忘れられないのが、初めての仙台フィルのヨーロッパ公演、リンツのブルックナーハウスでピアニストの梯かけはし剛たけし之さんがショパンのピアノ協奏曲第2番を演奏したとき。初めて聴くような響きと、その演奏の姿。ショパンの2番で今までそれを超える感動はないです。仙台フィルのいいところはどんなところですか?もっとも印象に残る演奏会は?

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