季刊まちりょくvol.22
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4観世流緑泉会代表 重要無形文化財(能楽総合)保持者1942年福岡県生まれ。一橋大学在学中から津村紀三子に師事、その後、先代観世喜之に師事。古典能だけでなく創作能、和太鼓、邦楽、ダンスなど他ジャンルとのコラボレーション作品も多い。2010年度文化庁文化交流使としてロシア、ハンガリーで指導を行ったほか、海外各地でも能の普及に努めている。2011年、仙台市若林区卸町に完成した「能-BOX」の開館セレモニーおよび記念公演に出演。2012年には継続的な文化交流活動に対してモスクワ・シェープキン演劇大学より表彰された。その活動を約5年にわたって記録したドキュメンタリー映画に「躍おどる旅人 能楽師・津村禮次郎の肖像」(監督:三宅流)がある。津村禮次郎 つむられいじろうかしそうに応じる。思いがけず楽しいひとときとなった。 実は取材日の夕方、津村さんは仙台市中心部の会場でダンス公演への出演を控えていたのだが、時間に少し余裕があるというので若林区卸町へ足を延ばすことに。卸町には、2011年に開館した「能-BOX」がある。「能-BOX」はその名の通り能や演劇の上演、稽古などに利用されている施設だが、そこに「小松島能舞台」が移設されているのである。 倉庫を改修した覆屋の中に入ると、津村さん馴染みの能舞台が出迎えてくれた。現在、津村さんはここで引き続き仙台のお弟子さんたちに稽古をつけ、折にふれてコンテンポラリーダンスや和太鼓など異なるジャンルのアーティストとのコラボレーション公演も行っている。この能舞台は津村1月16日・17日、「能-BOX」で上演された「黒塚 KUROZUKA」の一場面。津村さんの能と、和太鼓、篠笛の融合によって、“安達ヶ原の鬼婆伝説”が新たな世界観で表現された。さんの仙台での原点であり、今も新しい表現を追い求め続けるその活動の拠点でもある。「この舞台を使うことが、僕の責任でもあるのかなと思っています」と津村さんは語り、この日の本番へと向かって行った。その姿を能舞台が静かに見送ってくれているかのようだった。

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