季刊まちりょくvol.21
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7 2月に開催される仙台公演(第3回定期演奏会)では、スッペ作曲「詩人と農夫」序曲、宮沢賢治もその第2楽章のメロディに自作の詩を付けて歌うほど好んだドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、そして世界初演となる二重協奏曲「星巡ノ夜」(平野一郎作曲)を演奏する予定です。 「星巡ノ夜」は賢治の作品に着想を得て作られた曲で、「左手のピアニスト」として知られる舘野泉さんが設立した「左手の文庫」(※)の委嘱作品でもあります。2月の初演では、舘野泉さんと、その長男でヴァイオリニストのヤンネ舘野さんがソリストを、指揮を泉さんの弟・舘野英司さんが務めます。今回の共演は、「東北農民管弦楽団と一緒に」という泉さんの希望が実現したものです。 季節こそ真冬ですが、大勢の方の思いがこもった熱い演奏会となりそうです。(公演の情報はP.17および本誌後半「仙台市民の文化事業PRページ 13 」をご覧ください。)※舘野泉さんは2002年、フィンランドでの演奏会中に脳出血で倒れ、後遺症のため右半身に麻痺が残った。リハビリを経て、2004年に左手での演奏によりステージへの復帰を果たし、大きな話題となる。左手によるピアノ曲を充実させるため、2008年に基金「左手の文庫」を設立し、新作の委嘱、演奏などに努めている。「われらの前途は輝きながら嶮峻である」2015年9月、農民オケのシーズンがスタートし、岩手県遠野市で合宿が行われました。2泊3日で練習に励みます。JR釜石線のめがね橋(遠野市)をバックに。釜石線の前身「岩手軽便鉄道」は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のモデルとなったと言われています。合宿では楽団員同士親睦を深めることも重要ですね。話題は当然、農業と音楽について。

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