季刊まちりょくvol.20
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12進の指導にも力を入れました。門下からは、松尾明美、松山樹子、薄井憲二ら、著名なバレエダンサーが輩出しています。晩年には、日本におけるバレエの先駆者としての功績が評価され、日本バレエ協会名誉会員に推挙されたほか、没後に勲四等瑞宝章が贈られました。 バレエが習い事として広く普及した現在とは異なり、当時の日本ではレッスンも舞台公演も手探りの状態でした。そのなかで東は、ピカソなど多くの芸術家に影響を与えたロシアの革新的なバレエ団「バレエ・リュス」に強い関心を抱き、海外から資料を取り寄せて作品を上演するなど、新しい試みにも挑戦していきました。 生前、バレエ生活40年を振り返った手記で、「仙台の大工の子供に生まれた私が、当時、日本でだれもやっていなかったバレエを始めたのも、考えてみれば不思議なめぐりあわせかもしれない」と語った東。バレエを志した頃、年の離れた一番上「仙台フォトコンテスト2015   ~地下鉄東西線*沿線風景」作品募集中!! 地下鉄東西線沿線の地域資源(場所・人・モノ・現象など)の魅力を捉えた写真作品を募集しています。寄せられた作品は審査の上、2016年2月にメディアテークにて展示を行います。■応募締切/12月13日(日)必着■賞/金賞1点(賞金3万円)、銀賞1点(賞金2万円)、銅賞1点(賞金1万円)ほか■審査員/飯沢耕太郎(写真評論家)、三上満良(宮城県美術館副館長)※応募規定に関する詳細は、市内各所で配布しているチラシ、ホームページ(http://www.sendaicf.jp/photocon2015/)をご覧ください。〈お問い合わせ〉仙台市市民文化事業団事業課 TEL 022-301-7405の兄に広瀬川の河原に連れ出され、何度も殴られてその決心を試されたという逸話も残っています。 明治の終わり、仙台の大町に生まれ育った少年がバレエに出合い、その道を究めるまでには様々な物語があったことでしょう。西公園の牧神像は、そんな物語を静かに語っているかのようです。取材協力/東博子氏「牧神の午後」を踊る東勇作(東勇作同門会編『牧神―或いは東勇作―』より転載)。姪の東博子さんによれば、「牧神の午後」は東の十八番だったそうです。NEWS!!

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