季刊まちりょくvol.19
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16 (前略)1つの街で3日間で100回近い演奏会が行われる、この世界でも稀に見るユニークな「仙台クラシックフェスティバル」、まさにその第1回の朝1番の舞台という大役を務めさせて頂いた事、今でも忘れられない思い出になっています。(中略) もう一つ忘れてはならないのは地元のクラシックファンのお客様達の素晴らしい、好奇心に満ちた情熱的な反応です。この10年の間にクラシック音楽への知識が深まり、ファンの皆さんがそれぞれ思い思いに好きな音楽を楽しんでくださっている姿。さらに、このフェスティバルで初めてオーケストラを聴き、音楽好きになった小学生が今、立派な青年や素敵なレディーになって目の前に現れる。その姿に接する事が、大きなエネルギーとなって我々音楽家に還元されている気がします。(中略)私は気力体力が続く限り、この愛すべき「せんくら」に参加し続けたいと思います。 仙台はいまや日本、いえ、世界有数の音楽都市です。仙台のクラシックファンの方々は、音楽への深い理解があるだけでなく、それを楽しむことを知っています。それが演奏する私にヴァイブレーションのように伝わる。こんな演奏家冥利に尽きるフェスティバルは世界のどこにもありません。 ブラボー、ブラヴィッシモ、せんくら! 仙台クラシックフェスティバルは今年ではや10周年を迎えるのですね。おめでとうございます。 聴衆と奏者、クラシック音楽が一体となって大きなうねりを生みだしていきます。 仙台は私のご先祖から代々ゆかりのある土地。その意味でも仙台に音楽文化がしっかりと根付いていくことは嬉しいかぎりです。福田 進一(ギター)中村 紘子(ピアノ)舘野 泉(ピアノ)©Hiroshi Takaoka©武藤章

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