季刊まちりょくvol.19
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10――仙台出身で盛岡育ちの小山さんは、東日本大震災の直後から岩手・宮城・福島の被災地を訪ね、子どもたちに向けて演奏を行うなど、東北に特別な思いを寄せていらっしゃいます。震災から4年がたち、今回どのような考えで「こどもの夢ひろば“ボレロ”」を企画されたのでしょうか? 仙台などの街の中心部は活気が戻りましたが、沿岸部などはまだまだ復興が進んでいないところもあります。ですが、ここから、子どもたちが未来を作って、街を良くして、充実した生き方ができるようにしなければいけないと思います。それには、どのようにして自分が本当に好きなことをやっていくか……。「好きなこと」と言うと身勝手に聞こえてしまうかもしれませんが、自分が打ち込めること、自分が本当に愛すること、そういうものに取り組んでいくこと、それが大事になってくると思うんです。一度の人生ですから。そのためには「出会い」が必要です。私は小さい頃、偶然家にあった小さなおもちゃのピアノを気に入り、それではもの足りなくなって「ピアノがほしい」と両親にねだりアップライトのピアノを買ってもらって、という単純な始まりからこういう人生になりました。ピアノと出会えたことが、本当に自分にとっての幸せにつながりました。今の子どもたちは、目先の結果に追われたり、忙しかったり……。でも、そんななかで何かに出会い、単純に「これがいい!」とか、心から「わーっ!」と沸きあがる気持ちを知って、自分が一歩を踏み出すきっかけになればいいなと心から思い、この「こどもの夢ひろば“ボレロ”」を企画しました。 「こどもの夢ひろば“ボレロ”」の企画立案者であり、ゼネラルプロデューサーを務めるピアニストの小山実稚恵さん。4月22日、日立システムズホール仙台での記者発表会を終えたばかりの小山さんに、今回の催しについてお話をうかがいました。こどもの夢ひろば“ボレロ”~つながる・集まる・羽ばたく~ゼネラルプロデューサー 小山実稚恵さん インタビュー⇒P.8から続く

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