季刊まちりょくvol.18
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41964年山形県余目町(現庄内町)生まれ。1985年、仙台を拠点に活動する劇団「十月劇場」(「Theatre Group“OCT/PASS”」の前身)に参加。1995年に退団したのち、一人芝居を中心にフリーの俳優として活動。2007年、樋渡宏嗣らと仙台市街中心部に演劇専用の小劇場の開設を目指す「SENDAI座☆プロジェクト」を立ち上げ、俳優・ナレーター活動のほか、演劇公演の企画制作、若手俳優・声優の養成などを行っている。2009年、芸名を「米澤牛」から「渡部ギュウ」に改名。仙南地域の児童劇団「AアズナインZ9ジュニアアクターズ」の養成講師も務める。これまでに平成11年度宮城県芸術選奨、アジア小劇場ネットワーク演劇祭で「Alice賞2001」を受賞。おもな舞台に『アテルイの首』『イヌの仇討』『元禄光琳模様』『十二人の怒れる男』『ハイ・ライフ』ほか多数。渡部 ギュウ わたべ ぎゅう文化横丁からすぐ、壱いろは弐参横丁の「なつかし屋」は、渡部さん馴染みのお店。開店準備をしていた店主の種たねざわ澤さんの姿を見つけ、早速声をかける渡部さん。「新しい芝居のチラシ持って来ればよかったなあ」と、しばし立ち話。2012年3月、文化横丁の飲食店「ZOKU 和ど菜」で上演した「杜の都の演劇祭」のワンシーン(左は共演者の伊藤拓さん)。演目はオーストラリアの劇作家、ダニエル・キーンの戯曲『皆々さまへ』。渡部さんが店の雰囲気と店主の人柄に惚れ込み、会場に決めたという。たりすれば最高の小屋(劇場)ですよ」。30年続けてきて、最近やっと演劇のおもしろさが見えてきた、とも語る。「稽古と本番が、人間性を回復できるというか、感受性が戻ってくる時間になっている。リラックスできるんです」 横丁には芝居の話がよく似合う。横丁も芝居も、ふらりと迷い込んでみると、どこまでも深く魅惑的な世界が広がっている。 

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