季刊まちりょくvol.18
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3いけば貼ってくれて、アートに興味がある常連さんがいたり、店主がお客さんに広めてくれたりした。今はそういう顔が見える店が減ってきて、苦労しています」と苦笑する。 ひとりでふらっと入って、安い値段で酒を飲み、他人ともつながることができる場所。“劇場”もそうあるべきだ、と渡部さんは言う。「劇場も、狭い空間にお客さんがぎゅうぎゅうに座って、多少がまんして観ていただくようなのがいい(笑)。そのまま芝居の後にお客さんと話ができたり、打ち上げができ芝居を始めた理由をたずねると、しばらく考えてから、「へそまがりだったんでしょうね」。十月劇場のアングラ芝居には“猥雑なエロス”があり、それに惹かれたという渡部さん。横丁にも同じ匂いを感じ、ワクワクするのだという。(稲荷小路にて)役者生活30年を記念して、昨年から「東北物語」と題する公演を続行中。今年も3か月に1回のペースで東北にまつわる作品を上演予定。その他にも自身が関わる「SENDAI座☆プロジェクト」の全国ツアーや子ども劇団の指導など、芝居漬けの毎日だ。(文化横丁にて)

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