季刊まちりょくvol.17
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16・私はまだ独身なので、子どもというものに縁のない生活を送っておりましたが、「遠い帆」での子どもたちとの共演で、自分が見られないかもしれない宮城の復興した姿をこの子どもたちが見られるかもしれないなら、それも救いだなと思えるようになって、三善先生や岩田先生が子どもたちに未来を託した思いが、ちょっとわかった気がします。子どもを持たない私にも。(合唱団員)・海外のオペラなどに見劣りしないものにするようこだわっていました。そして、それは不遜ではありますが、舞台芸術としてのオペラをよりインパクトのあるものにしたいという思いに変わりました。(黙役・野々下孝)・カーテンコールを受けている最中、良くここまで来れたなという達成感と満足感、そして2年間の苦難の道を思い出していた。新国立劇場のS席に座ってオペラ「遠い帆」を観られなかったのが一番の心残りである。(合唱団・真尾征雄)・津波経験と合わせて生き方が変わったと思います。「やれる時にやる」と思うようになりました。(合唱団・三浦幸子)・ひとつの舞台のために、これだけ多くの人と時間が費やされ、少しずつ形が出来上がっていく過程に加われたこと、また、マエストロ、演出家、ソリストとスタッフの皆さん、プロと言われる方々の仕事を間近に見られたことは本当に貴重な体験でした。(合唱団・後藤燈)・私は導かれていたのだとソテロに言わしめた、一人の名もない武士に惹かれていく自分を感じております。(合唱団・尾崎正光)・これだけのことに耐え抜くと、たいていの難儀は乗り越えられるような気持ちになっていることに気づかされている。(合唱団・阿部琢也)・難しいものであればあるほど苦戦しますが、その分達成感が大きかったことです。(舞台スタッフ)・初めは「ただただ難しい」だけだった作品が「私もどうしても伝えたいもの」が込められている作品になりました。「やればできる」が私の信条になりそうです。(合唱団員)・このプロジェクトに関わられた皆さんと共有できた想い・時間・空間に尽きると思います。それから、自分たちがやってきた仕事が決して間違っていなかったと思えたことと、まだまだ追うべき先達や目標があると突きつけられたことでしょうか。(舞台スタッフ・(有)舞台監督工房)・今までは観客側にいた自分が演じることに興味、関心が広がり、オペラ、演劇、テレビドラマひとつでも観る目が変わっておもしろいです。(合唱団員)・仲間とひとつのものを築き上げていく大切さ、楽しさはジェネレーションに関係なくあるということ。(合唱団・亀井啓)・“表現する”ということは、本当に奥が深いな~と感じました。(黙役・嶺岸加奈)・大人が横のつながりを作るのはとても難しいことだと思いますが、この作品に携わった方全員が一丸となって努力した故にできた連帯感が、得られたものの中で一番大きなもので

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