季刊まちりょくvol.15
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ギャラリーを楽しむには?7「くろすろーど」内部。この日は、「―箔に魅せられて― 久保田順子 りとる箔展」を開催。 今、仙台では、いろいろな形態のギャラリーが年々増えてきているので、それによって仙台のみなさんがギャラリーに出会う確率が増え「アートっておもしろい」と思ってくれて、仙台のアートのシーンが変わっていき、文化的なおもしろさが街のなかに広がっていってくれるのではないかと期待しています。 そして、実は大変残念なことですが、仙台はアート作品が売れない、若い作家に理解のあまりない街、というイメージが全国の作家に浸透しています。宮城の作家が他の土地に展示をしに行くということは多いのですが、他県から仙台で展示をしたいと申し込んでくださる作家は少ないのです。そのイメージを少しでも変えられるようにしていかなければと思います。 ギャラリーって敷居が高くて入りづらい、作品を買わなきゃいけない、と思っている方も多いと思います。でも、「こんにちは、見せてください」と気軽に入って、作品を見て「ありがとうございました」と一言声をかけて帰っていただくだけでいいのです。  作品の見方にしても、自分の感覚で見ていただいて全然かまいません。たとえば抽象画で見方がわからなかったら、作家やオーナーに「これはどういうふうに見ればいいんですか」と遠慮せずに声をかけていただければいいのです。 ただ、作家は身を削って作品を作り値段を付けているので、簡単に「高いね」とは言わないでほしいですね。その技法だったり、作家のモノづくりに対する想いやこだわりなどを聞いていただくと、その理由がわかったり、それから感想を聞かせていただけると作家の励みにもなり、作家との交流が生まれます。それで、もし気に入った作品があれば購入して、自分の生活のなかに持ち帰って飾ったり、使ったりしながら作り手の気持ちに思いをはせたりしてもらえばいいと思います。たとえば食器だったら、これは使いやすいとか、「こわしたら大変」とか(笑)、自分の暮らしを考えるいいきっかけになるはずです。

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