季刊まちりょくvol.15
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3 南小泉から七郷堀に沿って西へと向かった。堀には豊かに水が流れ、田畑を潤すとともに地域の人々の目も楽しませている。「養種園(現在の若林区役所一帯にあった伊達家直営の農園)でバラ祭りがあって、小学生のとき写生に行きました。そこで描いた絵で賞をもらった記憶があります」「その頃、近所に金魚売りと南蛮売りがよく来ましたね。南蛮屋さんは独特で、板に算木みたいなものを取り付けて、それをじゃじゃっと鳴らして売りに来るんです」――そんな話を聞くうちに、東北本線の線路を越え、南染師町に出た。藩政時代から続く染物業の町だ。現在も営業する3軒の染物屋のなかの1軒「永勘染工場」では、工場の奥で職人さんが仕事中。テキスタイルの研究も手がける近江さんは、職人さんに声をかけ、しばし話が弾む。昔と変わらない手仕事が息づいている様子に、「仙台らしいところが年々失われているなかで、こういう場所に来るとほっとします」。南染師町は職人の技が今に生きる町。明治20年創業の「永勘染工場」にて、染職人・猪俣鉄平さんにお話を聞く。若林区役所の南側を流れる七郷堀にて。

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