季刊まちりょくvol.15
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27ろが大きい。其々の役との距離感の取り方のバランスが良く、違和感を感じずに観ることが出来た。これは近年珍しいことだ。 「リアル」ということがいつも問題になる。昨今流行りの『真実の物語』もそうだが、いくら本当にあったことだと言っても、舞台上で再現された瞬間からそれはフィクションとなるし、それ以前に正確に再現されなかったら別の意味で「リアル」とはほど遠いものになる。正確に再現することと再現の仕方(どの方法を選ぶか)を他とのバランスを取りながら作っていくのが稽古というものであり、「フィクション」というフィルターを通して「リアル」をどう提示していくかが俳優の技術というものだろう。<公演情報>2014年4月11日(金)~4月13日(日)会場/せんだい演劇工房10-BOX box-1作:野木萌葱(パラドックス定数)演出:飯沼由和出演:原西忠佑、澤野正樹、小濱昭博、本田椋、飯沼由和 在仙の30代の男たち、やっと面白くなってきた。この年代だったら年に5~6本のペースで演やり、観客をどんどん増やしていってほしい。個人的には澤野正樹が少し変化してきていて今後が楽しみだ。(4月12日マチネを鑑賞)

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