季刊まちりょくvol.14
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句帖に掲載された郷土句には、70年前の仙台やその近郊などでの人々の暮らしが生き生きと詠まれています。今ではなくなってしまった建物や、戦時中の世相が出ているものも。そんな作品をほんの少しご紹介します。郷土句に見る70年前の仙台7郷土句に見る70年前の仙台ゲエラゴ=おたまじゃくし ごしゃがれる=叱られる歳末のふり売りの声。「こさげァ」=小三蓋松(門松)「お明日」=「またあした」(仙台城下の挨拶語)おしょしがる=恥ずかしがるドン=正午の合図の空砲。1929年1月まで使われていた。んまま=食事(ここでは昼食)終戦後の句。進駐軍のジープを詠んでいるトロペツ=ひっきりなしにたろ氷=つらら早川牧場=青葉区花壇にあった牧場いたましいいしょをたをして=大切な着物をほどいて森徳座=森徳横丁(青葉区一番町、仙台第一生命タワービル南側の通り)にあった演劇場。暖房と煙草用の火箱の火を絶やさないよう、下足札でかんます(かき回す)様子ござりせんでござりす=ございませんでございます(仙台城下の丁寧語) ユベス=ユベシ仙集館=青葉区一番町にあった映画・演芸館。1933年に焼失。 ヂンタツタ=常時演奏の客寄せ音楽のひびきみちのくの冬はジープも寒がすぺ伊達南谷子見ろまづや今朝のたろ氷ひの太いごど岡 得多樓森徳座火ばごかんます下足札千田總兵衛秋風や仙集館のヂンタツタスズキヘキいたましいいしよをたをしてもんぺぬい木村琢二夏雲やトロペツ続く戦闘機内ヶ崎作三郎ぐみもぎや早川牧場へ坂下りてスズキヘキござりせんでござりすユベスコウレン、カリントウ上山草人ゲエラゴを取つて帰つてごしやがれる伊達南谷子おしよしがる子はメゴ盛り衣ころもがえ更濱 眞砂萩昏くらき垣で別れぬ「お明みょうにち日」天江富彌ドンがなるんままにすべや帰りすぺ佐藤 實おすつまり「こさげァまな板お歳縄」千田總兵衛

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