4北海道札幌市生まれ。6歳よりヴァイオリンを始める。東京藝術大学音楽学部器楽科卒業後、英国王立北音楽院より奨学金を受け留学し、栄誉賞付きディプロマを得て首席で卒業。同音楽院より数々の褒賞を受賞。国内外のオーケストラと共演、エイラット室内楽音楽祭(イスラエル)、ザルツブルク音楽祭、国連チャリティコンサートで招待演奏をおこなう。イギリスにてNISHIMOTO TRIO、イゾラーニ・カルテットを結成し、国際音楽祭、国営放送などにも出演。さらに、映画音楽など数多くのレコーディングへの参加、自身が主宰するニュージャンルグループ『Rain Cats & Dogs』や、《VIOLINable(ヴァイオリンでできること)》をテーマにセルフプロデュースする定期コンサートを行うなど、活動は多岐にわたる。仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団など多くのオーケストラでゲストコンサートマスターとして客演。2012年10月、仙台フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターに就任。西本 幸弘 にしもと ゆきひろろっています。仙台も街の機能が凝縮されていて、自然や便利さを享受できる空間があり、外で演奏を楽しむ定禅寺ストリートジャズフェスティバルは、ロンドンのプロムスという音楽の祭典に似ています。けれども、仙台の街の真ん中にコンサートホールがあり、自然と共に芸術を享受できる環境がもう少しあれば、と一市民として感じます」 これからの目標は「音楽のつくり手と聴き手みんなが会場でひとつになり幸せを共有できるコンサートを数多くつくること。終演後や、街で気軽にお客さんと会話できる結びつきがあって、それが街の一部になる……。音楽や芸術が都市のアメニティになれば、仙台の明日にもつながっていくのではと思います」 歩くたびに、街への愛着を踏みしめ積み重ねてきたのだろうか。生粋の仙台人以上に、仙台の明日を想ってくれているように感じた。ワインやウイスキーはロンドンで覚えたが、日本酒も好き。仙台フィルのメンバーと国分町の居酒屋で飲むことも多い。定禅寺通から一歩入った稲荷小路の「おでん 三吉」もよく訪れる店のひとつ。夢だったコンサートマスターになって、「ただ嬉しい」が今は「楽しい」に変わったそう。「うまくいかないときもあるけど、幸せな苦しみ」と、明るい笑顔を絶やさない。
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