季刊まちりょくvol.14
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23練習のたまものだろう。しかし、ブラームスは違うのではないか。ロマン性が基本にあって古典性が加味されるべきであって、古典性が先立ってロマン性が味付けされるのは、私は違うと思う。今回、2台ピアノで伴奏をしたのだが、本来のオーケストレーションを見ればそのロマン性は疑う余地無くスコアから浮かび上がってくる。4曲の交響曲を見ても明らかだ。経費の問題があるのだろうが、このような記念演奏会ではぜひオーケストラを使ってほしかった。 昨年帰国し、ドイツ宮廷歌手の称号を持つバリトンソロの小森輝彦は、圧巻の存在感を見せつけていたことを付け加えておこう。彼は、昨年仙台市で再演したオペラ「遠い帆」でも見事に主役を歌いきった。今後日本の声楽を牽引する存在になるだろう。<公演情報>2014年1月13日(月・祝)開演15:00会場/東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)指揮:佐々木正利 ソプラノ:村元彩夏 バリトン:小森輝彦ピアノ:平井良子、東浦綾郁合唱:仙台宗教音楽合唱団、盛岡バッハ・カンタータ・フェライン□プログラム第1ステージ ハインリヒ・シュッツ『宗教的合唱曲集』より 「涙と共に種を蒔く人は」「今から後、主のもとで死ぬ人は幸せです」 「このように神はこの世界を愛してくれました」 ヨハン・セバスティアン・バッハ カンタータ68番より「イエスを信じる者、その人は裁かれません」第2ステージ ヨハネス・ブラームス『ドイツ・レクイエム』~2台のピアノ伴奏版~作品45

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