季刊まちりょくvol.13
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3 仙台での散歩会ではいろいろな場所が候補に挙がったが、そのなかでも絶対的な存在は“広瀬川とその河原”だったそうだ。「じゃ広瀬川の河原の中ではどこかね、って話をしてたら、演劇をやってる大学生が、『いつも発声練習をしている、すごく気持ちのええ河原があるんです。横で芋煮とかようやってるし、縛り地蔵っていう地蔵がある』って。で、それは米ヶ袋だろう、って行ってみたら、めちゃくちゃ美しいところで! 縛り地蔵さんのところで車を降りて、少し歩いて行ったら対岸に滝が見えて来た。夕暮れ時で、晩になったら月が昇り始めたりして。もう完璧なお茶席じゃないですか! この米ヶ袋の場合は、僕も含めて散歩会の参加者全員が風景に持っていかれたっていう感じでしたね」 と、思い出に浸りながら広瀬川のほとりをぶらぶらしていると、河原はまさに芋煮会シーズン。仙台市民には見慣れた秋の風景だが、「なんかいいですよね。河原に黒く焦げた石がポツンポツンと並んでて、焚火の痕があって。この“ほっとかれ方”はすごい。ええ意味でのゆるさ、これは絶対に仙台市民は死守すべき。こんな大きな都市の一級河川で点々と焚火の痕があるような河原って、他の都市にはほんまないですよ。国宝級の財産!」とじんじんさん。米ヶ袋にある縛り地蔵尊。願かけに縄で縛る習わしから「縛り地蔵」と呼ばれている。「お参りしましょうか。お久しぶりですなので」と手を合わせるじんじんさん。広瀬川の河原で散歩をしているポニー(名前はポーちゃん)に遭遇! じんじんさんは「なんで馬がいるの!?」と驚きつつも「でも河原に馬がいたら嬉しいですよね」と笑顔。

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