季刊まちりょくvol.12
8/100

「遠い帆」はどんなオペラ?支倉常長ら慶長遣欧使節を題材とし、日本屈指の作曲家と詩人により作られたオペラQA 初演までのみちのり脚本の完成、主要スタッフの決定、ボーカルスコアの完成などを経て、オーディションにより「遠い帆」合唱団が結成され、上演に向けた練習が始まったのは1998年のこと。制作決定からすでに8年が経過していました。作曲について三善晃氏は「なかなか終わりがこない支倉の旅と同じような航海に出ている、ずっとそんな気持ちでした」(2000年公演上演プログラムより)と語っています。そして1999年3月21日、運命の初演を迎えたのです。 制作のきっかけ1990年(平成2年)、作曲家・山田耕筰が生前に哲学者・阿部次郎にあてて支倉常長を題材にしたオペラ構想を記した手紙を送っていたとの報道がきっかけとなり、仙台市は常長にまつわるオペラ制作に着手しました。作曲が三善晃氏に、脚本が高橋睦郎氏にそれぞれ委嘱され、お二人の「オペラの概念に捕らわれない自由なオペラを」という思いのもと、「遠い帆」の制作がスタートしたのです。6初演(1999)のようす

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る