季刊まちりょくvol.12
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41957年東京都生まれ。学習院大学中退後、青年座研究所を経て1980年劇団青年座(文芸部)に入団。多岐にわたる作品を演出し、芸術選奨文部大臣新人賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞など多くの賞を受賞。2010年9月、新国立劇場演劇芸術監督に就任。現在では年間6~10本ほどの演出を手がけ、日本を代表する演出家のひとりとして活躍。仙台では、演劇プロデュース公演を10年間で6作品演出。仙台劇のまち戯曲賞の4回の選考にも関わった。宮田 慶子 みやた けいこ仙台って新しいものが生まれる土壌があると思う。東京は新しいものに対しての許容がなく、伸びないものは切られていく街。それに対して仙台は、おもしろいものはちょっとお尻を押してあげることができる街なんじゃないかと思っています」 その仙台での宮田さんの新たな仕事は、今年12月に再演されるオペラ「遠い帆」(※5)の総監督だ。「とにかく作品そのものが素晴らしいし、個人的にも大好きな題材。あの震災後、仙台の音楽界と演劇界の方々が力を傾けてつくる大きな舞台の応援団長(笑)として、私はみんなに“がんばれ!”って言う係だと思っています」 この冬、ふたたび仙台の劇場に「宮田さんの季節」がやって来る。宮城野区文化センターにて。今年1月、同センターの開館記念公演として宮田さんが芸術監督を務めた舞台「音のいない世界で」が上演された。若い世代や子どもたちに型にはまらない演劇を届けたいという狙いを秘めた作品で、「この劇場にぴったりだったと思います」と宮田さんは語る。右は同センターの齋藤館長。※1 劇都仙台事業=仙台市と仙台市市民文化事業団が展開する演劇振興事業。※2 演劇プロデュース公演=制作者が企画し、出演者やスタッフを集め上演する演劇公演。※3 仙台劇のまち戯曲賞=2001(平成13)年度に仙台市が設立した戯曲賞。最終候補作のリーディング、大賞受賞作品の舞台化など、これまでにない戯曲賞として話題を集めた。2007(平成19)年度まで実施。※4 たたき場=舞台で使用する大道具や小道具などを製作する作業場のこと。※5 オペラ「遠い帆」=江戸時代、慶長遣欧使節として海を渡った仙台藩士・支倉常長をテーマにしたオペラ(三善晃作曲・高橋睦郎脚本)。初演は1999年。2013年12月7日(土)・8日(日)に再演予定。

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