季刊まちりょくvol.11
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3東日本大震災から2年、仙台に身を置いた鷲田さんは、これからどのような歩みを進めていこうとしているのだろうか。 「仙台でいろいろな方と話すと、出身は東北各地で、進学や仕事で仙台に来ている方が意外に多いんですよね。たとえば関西には京都・大阪・神戸と奈良という4つのおもな街があって、カルチャーも言葉もそ鉄パイプを円筒状に組んだ中空の構造によって建物全体を支えつつ、管として各階を繋ぐ役割も果たしているメディアテーク館内の「チューブ」。建物の南東角に位置し、内部に階段がある5番チューブ内にて。の4つの街で全然違う。だから、『みちのく』とか『東北』と言いますけど、それをどこまでひとつに語っていいのかというのも、まだわからないんです」と、「『東北』については修業中」と語る鷲田さん。しかし、館長に就任して以来、震災後のこの地でメディアテークが果たす役割や、その「場」がもつ意味を考え続けている。鷲田さんは10代の頃、寺山修司や太宰治、石川啄木など東北ゆかりの文学者の作品を愛読したという。「東北は物語の宝庫ですよね」。

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