季刊まちりょくvol.11
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22art reviewやんや 2009年から3年連続で全日本吹奏楽コンクール全国大会出場を果たしている泉シンフォニックウィンドオーケストラが33回目の定期演奏会を開いた。 会場のイズミティ21大ホールに入ると、座席は多くの人で埋まっており、人気の高さをうかがわせた。 今回の演奏会は、吹奏楽オリジナル、ポップス、クラシックの3部構成。第1部は、清水大輔作曲「セレブレイト」で開幕。音色が全体に柔らかく、アンサンブルが見事に揃い、音量などのバランスも良く、この団のレベルの高さを感じさせた。2曲目は、チャイコフスキーの素材を使った鈴木英史作曲「ピエトロ・モンタージュ」。やはり見事なアンサンブルを聴かせてくれたが、ロシアの民族舞踊風な部分などは、もっと土くささを出してもいいように感じた。続く井澗昌樹作曲「Bye Bye Violet」では美しいトランペットの音色などを堪能できたが、途中のピアノソロの音色がシャープ過ぎて、やや違和感を覚えた。 第1部後の休憩時にはロビーコンサートが行われ、ノリノリの演奏に、周りを囲んだ聴衆から熱い拍手が贈られた。 第2部のポップスステージは、客室乗務員に扮したナレーターの機内アナウンスで、世界を巡りながら各地の音楽を聴くという楽しい趣向。ジェット機の音や、カラフルな照明を使うなど、凝った演出だった。最初の「ディズニー・クラシックス・レビュー」では、指揮者や団員がミッキーマウスなどの縫いぐるみや帽子などの衣装で登場。会場の笑いを誘った。トランペットやサックスのソロに、客席の手拍子も加わった「スペイン」、ジョン・レノンの「イマジン」、お馴染幅広いレパートリーで楽しませてくれた演奏会泉シンフォニックウィンドオーケストラ 第33回定期演奏会宮城 純一(作曲家)仙台・宮城で開催された文化事業をレビュー(批評)としてご紹介します

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