季刊まちりょくvol.10
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22 寒空の下、会場前でスーツ姿の男性が箱ティッシュを手に立っている。中ではぼんやり浮かぶ能舞台と、外壁を叩く風の音。これから何が始まるのか、この時はまだ知る由もなかった。 まず京都から迎えた「笑の内閣」の舞台。博士とともに巡る旅。次々流れる場面は、ロードムービーを見ているようだった。色々と考えさせられ、清すがすが々しく終わる。 そして「短距離男道ミサイル」の舞台へ。モノトーンの始まりからキレのあるダンス。黒いスーツから華麗な脱皮、というか脱衣。始まって5分と経っていないが、観客の心は掴つかまれていた。「なぜ脱いだのか?」この疑問を感じる間もなく話は先へ進んでいく。原作はダンテの「神曲」だったのだが、目の前で繰り広げられる男たちの叫び、動き、すべてが熱を帯びている。笑っているこちらにもじりじりと熱が伝わる。これは、想像以上に熱い舞台だ。身体だけではなく心の素肌もさらけ出す彼ら。囚とらわれない心でその熱を受けとめたい。(編集部A.S)短距離男道ミサイル「佐川、あれはイキ過ぎた男」公演日程/2012年12月16日(日)~17日(月)会場/能-BOX主催:短距離男道ミサイル 出演:佐川誠、本田椋、荒野紘也、神崎祐輝、小濱昭博、澤野正樹演 劇~仙台市市民文化事業団 助成事業レポート~ 仙台市市民文化事業団では、市民の方々による自主的な文化活動に対し資金助成を行っています。今回はそのなかから3つの事業を取り上げ、本誌編集スタッフがレポートしました。行ってきました、 見てきました!

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