季刊まちりょくvol.10
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21言っているのだ。何と言っても合唱中心の会(主催は「メサイアを歌う会」)であるのだから、それが最良に機能することを第一に考えるべきではないだろうか。たとえばメリスマを美しく聞かせたい第1部第12曲、重厚な序曲のような第2部冒頭の第22曲や終曲のスケールの大きいアーメンコーラスなどはもう少しテンポを落とすべきではなかったかと思う。指揮者の作りたい音楽と演奏効果は天秤にかけ熟慮する必要があろう。練習回数が限られている中での合唱団の演奏は質の高いものだった。 しかし、このような会が30回を迎えることは賞賛に値する。単に一つの団体の歴史をこえて、立派な地域文化になっている。次回からもさらに研鑽を積んでますますの良い演奏を期待しよう。ソロを歌った佐藤順子、高山圭子、渡邉公威、佐藤亮の4人は丁寧な歌い方で好感が持てた。ただ、もっと自由な個性を求めるのは酷だろうか。独唱者は合唱と違って指揮者とぶつかる音楽性が求められると思うのだ。<公演情報>2012年12月22日(土)開演14:00会場/仙台市青年文化センター コンサートホール指揮:工藤欣三郎ソプラノ:佐藤順子 アルト:高山圭子 テノール:渡邉公威 バリトン:佐藤亮 オルガン:佐々木寧子合唱:メサイアを歌う会 管弦楽:仙台メサイア室内アンサンブル□プログラム G.F.ヘンデル/オラトリオ「メサイア」(全曲) 序曲 シンフォニア、第一部 預言・降誕(No.2~No.21)、第二部 受苦(No.22~No.44)、 第三部 復活・永生(No.45~No.53)

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