季刊まちりょくvol.10
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13岡 浩一郎さんニケーションを取ったんですか?水越(美):最初はロシア語かなと思って、娘はそのとき小学1年生で、「ズドラーストヴィチェ(こんにちは)」って挨拶の練習をしてたりしたんですけど、オーストリアに留学中ということでロシア語、ドイツ語、英語のほかにスペイン語、イタリア語、ハンガリー語なども話せる方だったんです。彼は2週間ぐらい滞在したんですけれども、日本語もけっこう話すようになって、あるとき「ちょっと待ってください」と言われて(笑)。「それどこで覚えたの?」って聞いたら、「日本人はよく言う」って(笑)。私たちもちょっとずつ言葉で遊んでみたりして、すごく楽しい経験でした。編集部:ホームステイ期間中、食事はどのようなメニューを出していたのですか?水越(美):マーロフさんはベジタリアンで、朝はゆっくり目に起きてトーストとサラダぐらい。昼と夜は仲良くなった出場者同士でよく外食していましたね。日本の文化に興味がある方だったので、私たちといっしょにおにぎりを作ったり、箸も上手に使っていました。編集部:結友さんは、外国の人が来てどうでしたか?水越(結):その前にも何回かホームステイの受入れをしていたから、すぐ仲良くなれました。水越(美):マーロフさんは、娘が最初にロシア語で自己紹介したらすごく喜んでくださって。彼は仙台のコンクールの数年後に開催された東京のヴィオラコンクールで優勝して、毎年のように来日しているので再会の機会もあるのですが、そのたびに娘が大きくなっているのでびっくりしています(笑)。第4回に受け入れたピアノの鈴木美紗さんは、東日本大震災の直後、4月の初めに仙台のコンクールに出場した仲間を集めてチャリティコンサートを東京で主催してくださいました。まだ新幹線が動いていなかったので、私たちも高速バスに揺られて聴きに行きました。仙台のことをすごく大事に思ってくださっていて、本当にありがたいなと思いました。今野:私はエピソードがあまりにもいっぱいありすぎて(笑)。会場運営サポートの活動は、何よりコンクールが無事故で最初から最後までスムーズに運営できることが最大の目的なので、終演後にお客様から「ありがとう。すばらしい演奏でした」という声をかけていただいたり、笑顔でお帰りになる姿をお見送りするのが、自分たちの喜びにつながっていると思っています。第3回のガラコンサートを終えたときに、お客様から会場運営ボランティアに宛てた手紙をいただきました。「セミファイナルからずっと仙台に滞在してコンクールを聴き、その感動とともにボランティアの皆さんのボランティア精神そのものの姿に感動しました」という、私たちへの御

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