季刊まちりょくvol.7
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7仙台の桜の名所・榴つつじがおか岡公園。木々の緑に映える白壁が美しい仙台市歴史民俗資料館(通称「れきみん」)は、1979(昭和54)年11月に開館しました。「れきみん」の建物はもともと明治初期に建築された旧日本陸軍の兵舎。1970年代に取り壊す計画が出たものの、市民からの働きかけもあって保存され、資料館として活用されることになりました。建物自体が歴史的資料である「れきみん」が収集・保存しているものは、おもに仙台市内を中心とした明治以降の庶民の生活資料です。その種類は農具や生活用品、家電仙台市歴史民俗資料館人々が生きてきた証あかしを「残す・伝える」製品、衣類、写真など多岐にわたります。展示室には、年配の方々には懐かしく子どもたちには物珍しい道具が並んでいて、楽しく見学することができますが、「れきみん」の役割はそれだけではありません。扱うのに手がふるえるような貴重なお宝ではなく、人々の暮らしに密着した道具を収集・保存していくこと。そこには、どういった意味があるのでしょうか? その問いを、「れきみん」の学芸員、畑井洋樹さんに投げかけてみました。⇒続きは12ページで!さまざまな資料を収蔵している収蔵庫。所蔵する資料の点数が増えるにしたがって、ここだけでは収蔵しきれなくなり、館の外にも収蔵庫を設け保存しています。〈お話〉仙台市歴史民俗資料館 学芸員 畑井洋樹さん仙台市歴史民俗資料館の建物は現存する宮城県内最古の洋風木造建築物。二階建て寄よせむねづくりかわらぶき棟造瓦葺、漆しっくい喰塗りの外観が明治の雰囲気を伝えています。展示室では「農村のくらし」、「町場のくらし」、また建物にちなんだ「旧四連隊コーナー」が見学できます。

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